2009年09月20日
TRANSIT ZONE

写真家 齋藤さだむの『TRANSIT ZONE-新たな都市の光景」展が9月19日、福島県いわき市立美術館で開幕した。
会期は、11月3日まで。

齋藤さだむさんは、つくば在住の写真家。雑誌「つくばスタイル」や茨城県の広報誌「フォトいばらき」などで、齋藤さんの写真をご覧になっている方も多いと思います。
齋藤さんのライフワークのひとつ「TRANSIT ZONE-新たな都市の光景」展が9月19日、福島県いわき市立美術館で開幕。
19日のオープニングには齋藤さん自身の解説によるアーティストトークも行われるということで、早速初日に行ってきました。
写真展は、つくばから都心に向って常磐自動車道と首都高速を走行しながら周囲の状況をスナップショットした作品。これら写真は、ひとつの都市論的光景として1984年以降、断続的に撮影が続けられているものです。
車で東京に行くことが多い私にとっても、どこかで見たことのある場所や風景のものもあるのですが、作品によっては撮影が20年近く前のものもあり、今の景色なのかそれとも過去の景色なのか、記憶と現実が交差した感じを覚えました。特に高架を走る常磐道と首都高速はいわば特異な場所であり、その風景は20数年も前から近未来を映し出していたのかもしれません。



写真家というと、少し近寄り難い感じを持たれる方もいるかと思いますが、齋藤さんはとても気さくな方です。以前から親しくさせていただいていますが、大手建設会社のカレンダーの作成を長年続けられているので建築写真家と思っていました(失礼!)。 しかし、朝日新聞日曜版の芸術関係の写真や筑波大学名誉教授・芸術家の河口龍夫氏の展覧会パンフレットを手がけるなど、その活動は多岐に渡っています。
Tips ポジフィルム
今回の写真展の写真は、全てポジフィルム。しかもそのほとんどが、齋藤さん自身が運転席からの撮影だそうです。ポジフィルムは、ネガフィルムに比べて、色の再現性が優れている半面、露出はかなりシビア。デジタル全盛、しかもカメラの機能向上により連写などが簡単にできる今と違って、ポジフィルムの撮影、手巻きでのフィルム巻上げでどうしたらこんな写真が撮れるのだろうかと思います。「渋滞で車が止まっているときに撮ったものもありますが、走りながら左手でハンドル、右手にカメラを持って・・・」と、時には危険なこともあったそうです。
美術館へはつくばから常磐高速で約2時間。ぜひ見に行かれてはいかがでしょうか。
Posted by chika at 21:54│Comments(0)│都市
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